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『蜘蛛の男』ネタバレ感想【あるくジョー】


蜘蛛の男
2025年9月5日/シュークリーム

 

ウィリアムの日常は、彼を愛人として飼っていたマフィアのボスの事故死によって一変してしまった。 隠居生活を送るウィリアムの元を突然訪れた奇妙な男。 彼の名前は、ナイン。ボスの義理の息子だった。 ナインは無邪気で従順にウィリアムに懐き、慕ってくれているようだった。 一方、組織の男たちはボスの死の真相を探る。 あれは本当に事故だったのか? もし殺されたのだとしたら、犯人は、その目的は――……。 激情と思惑が絡み合う本格ノワールBL、誕生。



単行本の構成
・表題作全6話
・描きおろし番外編「Another Life」12P



ネタバレ感想

事故死したマフィアのボスの養子で児童養護施設出身のナイン×ボス亡き後に組を抜けたボスの愛人で元男娼のウィリアムの物語。

新作はサスペンス仕立てのシリアスBL。犯人は途中で明かされるため、軸となるのは2人の過去と関係性の変化。そして抗争の行方。

ナインにとってウィリアムはまだ10代後半だった頃からの知り合い。ボスの養子として迎えられた最初の数年間は日常的に言葉を交わす機会があり、マフィアの一員でありながらも人へのやさしさを感じさせるウィリアムにナインは自然と惹かれていきます。

その後、実際は一目ぼれだったこと=もっと早い段階から惹かれていたことが明らかになります。児童養護施設の庭で初めて出会ったときにウィリアムの美しい立ち姿に目を奪われたナイン。

ボスの養子選びに付き添って施設を訪れたウィリアムとナインの初対面エピソードが特に印象的に描かれています。

ナインが成人してからはほとんど顔を合わせることがなくなっていた二人だけど、そんな中で起こったのがボスの事故死。

ナインはボス殺しの犯人として真っ先に疑われ、組織内で立場が危うくなってしまい、身を隠すためにずっと想いを寄せていたウィリアムを訪ねることに。

ナインを匿ったため、ウィリアムまでもが共犯を疑われ、組織から追われる身となり・・・という展開。

そこから物語の核心に迫る重要な事実が次々と明かされ、クライマックスへと加速していきます。

“蜘蛛”のようなド執着年下攻と不憫ビッチ受。生い立ちが違っていれば、きっと穏やかな人生を歩めたであろう二人。あの男と出会ったばかりに過酷な運命に引きづりこまれてしまった二人の逃避行劇。

サスペンスBLということで、核心に触れるネタバレは避けますが、病みすぎないシリアス系の共依存ものが好きな人におすすめしたい一冊。

巻末の描きおろし番外編は<もし最初の選択が違っていたら...>というパラレルワールドが描かれています。裏社会に身を置かなかったら、こんな二人の平和で可愛い出会いが展開されたのかもという、そんな癒しの番外編になっています。

 


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