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『きら星ダイヤル』ネタバレ感想【夏目イサク】


きら星ダイヤル
2009年12月10日/リブレ

 

都会の病院から田舎の診療所へと赴任してきた医師の鳥羽は、第一印象サイアクの無愛想なボンボン・和弘の屋敷に居候することに。そっけない態度をとるかと思えば、いきなり襲ってくる(!)和弘に翻弄される鳥羽だったけれど、和弘の人間不信の原因を知って…? 



単行本の構成
・表題作全6話
・描き下ろし10P



ネタバレ感想

無愛想な田舎のボンボン・和弘(23)×都会からやってきた人情味あふれる医者・鳥羽先生(28)のラブコメBL:

医者として心機一転、再出発しようと都会の病院から田舎の診療所に赴任してきた主人公。到着早々、トンデモなく無愛想で社会常識が欠落しているボンボンに振り回されてしまうという展開ですが、このお医者さん(受)が、どんな頑なな人間の心も溶かしてしまうような人情味溢れる人柄で、読んでてあったかい気持ちにさせられました。

ボンボンの方も、最初の刺々しいイメージとは一変、心を許すと忠犬のように一途になっちゃうとこがツボでした。この絶妙なキャラ設定のおかげでストーリーが数倍楽しめた感じです。

両親の莫大な遺産のため働かず、大きな屋敷に閉じこもっているボンボン・和弘。診療所の住居スペースが完成するまでの居候という形で鳥羽先生が転がり込んでくるところから物語が始まります。

初対面でいきなり毒々しい嫌味を言ったかと思えば、夜には人肌求めて押し倒したりする、予測不能・理解困難な和弘の行動に唖然とさせられる鳥羽先生。

医者としての責任感と優しい人柄のためか、大きな子供のような和弘を放っておけなくなる先生。さらに近所の人から、13歳で天涯孤独になったという和弘の重い過去を聞き、余計に一人にしておけなくなり、自分が力になりたいと思うようになります。

そんな鳥羽先生も、医者仲間の死をきっかけに精神的に追い詰められ、医者をやめようかとまで考えていた過去があるのですが、医者不足に悩む田舎の町で住民に歓迎され感謝される日々を通して、再び医者としてのやりがいや充足感を取り戻していきます。

いつも無愛想でお世辞を言わない和弘から、先生が来てから町の人が元気になったと言われたときは、喜びと感慨もひとしお。夜空を眺めながら先生を励ます和弘の姿にこれまでのへたれモードとは違う男らしさがあり、思わず見直しました。

このあとの展開は、先生が和弘のことを好きかもと意識し始め、戸惑いながらも惹かれる気持ちに抗えなくなり、あれよあれよと流されてしまう様子が描かれています。いかにもツンデレな感じが出てて可愛かったです😊

また、和弘が先生にすっかり懐き、まっすぐに想いをぶつける姿も第一印象との間にギャップがあり、いじらしさが際立つ胸キュンポイントになっています。作者のコミカルで温かみのある作風がこの作品でも発揮されていて味わい深かったです。

 


きら星ダイヤル<単行本未収録ショートつき>


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